キミの願いを


あたしは慌てて、冷蔵庫からタッパーを取り出し、アイスクリームをすくうと、そのメロンソーダに盛り付けた。



「お前、メイドやってたほうが良かったんちゃう?」



「はぁ?琉唯が似合わないって言ったんでしょ!」


「なんで俺のせいやねん?俺の言ってることなんか、いっつも聞いてへんやん。」


「なっ……」




そうだよ。



琉唯の言ったことなんて、本気にしなければいいのに。


気にしなければいいのに。




気にしてないはずなのに。







――「エマ、おつかれっ!」




午前だけ、喫茶店当番のあたし達は午後から自由時間。




ウサギ耳をつけたメイド姿の華が、空き教室で休憩していたあたしに、缶のりんごジュースを手渡した。