キミの願いを


「なんで、そんなにむきになってんの?」


輝先輩は、うっとうしそうに琉唯を見る。


そして、またふっと笑った。




「あれか。エマを、君にあげればいいわけ?」




胸ぐらを掴む琉唯の手に、力がこもって。



次の瞬間。




琉唯は輝先輩の頬を殴った。



衝撃で、輝先輩は床に飛ばされる。


女の先輩が悲鳴をあげた。



すぐに辺りには、生徒が集まってきて、誰かが呼んだ先生も駆けつけた。



周りが2人を離そうとしているときに、琉唯は輝先輩に向かって叫んだ。



「エマって馴れ馴れしく呼ぶなや!!あいつに近寄んな!」



――…