「何か…あるんでしょ?」



先生の言葉に足を止めるあたしたち。



答えるか、答えないか迷っていると海斗が一言だけ先生に言った。




「何かあったと言えばあったけど…今は言いません…」



それだけ言うと、海斗は先に保健室から出ていき、あたしは先生に短くお辞儀すると海斗の後を追った。





それからも、いじめは酷くなる一方で、あたしは学校に行かなくなった。



自然教室…。

4日間も一緒にいるのは耐えられない日常から逃げ出したくなったとき、海斗があたしに言ったからだ。



「しばらくは学校に来ない方がいい…」



海斗が真剣に言ってきたから、あたしは海斗の言う通りにしてみることにした。




その間に、学校で何があったかも知らずに…。