消え行く花のように



「え……?」

同じく異変に気付いたミカエルが、腕の力をゆるめた瞬間、リエルの体はその腕をすり抜け、ずるりと地面に崩れ落ちた。

「リエル!?」



倒れたリエルの周りに

雪で覆われた地面に

広がる





真っ赤な染み――





「何? あたしまだ何も……」

戸惑いの表情を浮かべ、倒れたリエルを見下ろすミカエルに構わず、俺はリエルの元へ駆け寄った。

雪の上に横たわり、周りに赤い染みを広げるリエルの黒いコートの前を一気に広げる。

「……どういう、ことだ」





瞬間、視界に飛び込んだ光景に、息が詰まりそうになった――