消え行く花のように

(―15―)



隙を見せぬよう目はそらさないまま、先ほど折れた街灯の支柱を手ごろな長さに手折り、武器の代わりにする。

あの鋭い切れ味の刃物には、あまり意味はないかもしれないが……

素手でミカエルにダメージを与えるのは少し困難に思えた。

じり、と少しずつ間合いを詰めてくるミカエルの一挙一動に神経を尖らせる。


――異常なまでに静まり返った空間


ふと、今まで舞っていた雪がピタリと止んだ。

それを合図のようにミカエルが地を蹴る。

飛び込んできた剣先を、鉄の支柱で正面から捕らえたが、案の定いともたやすく折れた。

だが、その僅かな隙に懐へもぐりこみ、体を回転させる反動ごと、肘をミカエルの腹部へ打ち込む。

ミカエルは大きく後方へ飛ばされたが、当たる瞬間に自ら身をひいたのだろう……手応えはあまり感じられず、受け流された攻撃は何のダメージも与えられなかったようだ。

トン、と軽く地に降り立つミカエル。

「休む暇は、与えない」

つぶやき、すぐに追う――