俺が記憶の糸をたどり、発した言葉を聞くと、ミカエルは一瞬驚いたような表情を見せた。
「おどろいた。極秘情報なのに、どうしてそれを知っているの?」
「隠そうとして隠しきれるものなど、何もありはしない」
いつの時代も、表立っては隠された情報であっても裏世界には漏れているものだ。
「ふうん?」
まだ少し府に落ちないといった顔をしていたが、ミカエルはすぐに思い直したように剣先を胸の前に構えた。
「まあ、いいか。あたしもあなたのこと知ってる……凄腕の殺し屋さんなんですってね」
背筋を伸ばし、構えた剣先をゆっくりと俺の方へ向けると、ミカエルは再び笑みを浮かべる。
「それにしても、武装した憲兵五人、いとも簡単に倒してくれたわよね? 何故か皆、意識がなくなってたみたいだし」
「見ていたのか?」
「ええ、面白かったわ。まさか銃もきかないなんてね。おかげでこうして直接出向くはめになっちゃったんだけど」
小さなため息をひとつ落とし、やれやれといったふうに首を振りながらも、鋭い剣先はこちらに向けたまま……そこには少しの隙も見当たらない。
一見表情豊かにも見えるが、終始、身に纏い消えることのないそのオーラは、どこまでも鋭く、冷たい。

