「あ、ありえない……よけるばかりか、弾を掴むだと……っ 」
俺に銃口を握られたまま動けずにいる、隊長と呼ばれた男が、唇を震えさせながらもかろうじて声をしぼりだす。
「お前、一体……何なんだ!?」
「さあ……?」
目を細めて答えると同時に、掴んでいた銃ごと男の体を通路の壁に叩きつける。
壁際に立っていてよけきれなかった憲兵の一人も巻き添えに…二人は強く頭を強打して地面へと崩れ落ちた。
「ば、化けものっ!!」
残った三人が一斉に銃を構えたが、振り向いた俺の視線に捕らえられた瞬間、その場で動きを凍りつかせる。
「な、なんだ? 体が……っ 」
引き金を引こうとしても動かぬ指に、みるみる顔を青ざめさせる三人に悠然と歩み寄り、中央に立ち、古の言葉を唱えると……
三人は糸の切れた操り人形のように、意識を失いその場に倒れた。
「悪く思うなよ。命を失わずに済んだんだからな」
あっという間に沈黙してしまった憲兵たちを見下ろしてつぶやく。
所詮、人間に俺を殺すなど無理な話。
力の差がありすぎるのだ。
意識を取り戻す頃には、ここで何があったか……何をしに来たかすら忘れているだろう。
その場に背を向け、再び部屋へ戻りコートをはおる。
この部屋まで調べがついていたということは、リエルが一緒にいたのも知られていたかもしれない――
そう思うと、急にリエルの身が案ぜられて……
俺は急ぎ、ガーフィールドの店へと向かうことにした。

