消え行く花のように

(―11―)



そんな日常を幾日も繰り返し……

気が付くと、リエルと約束した日にちはとっくに過ぎていた。

(少し遅くなりすぎたか?)

目覚めてすぐ、目に入った花に水をやりながら、ぼんやりと考える。

あれから欠かさず水を与えた甲斐があったか、枯れることなく咲き誇る小さな花を見つめると自然に笑みが浮かんだ。

(迎えにいかなくてはな)

限界後の強力な欲求を満たし、徐々に体が平常に戻るにつれて、乱れた精神の波も落ち着いた。

これからはあんな状態になる前に、程ほどに生気を補充すればいい。

気付かれないよう、ほんの少しづつ……

今までもずっとそうして、人にまぎれて生きてきたのだ。

忘れさえしないようにすれば簡単なこと。

これからもそうやっていけばいい……




そんなことを思いながら、花に水を注ぎ空になった水差しをキッチンへと戻しに行こうとした時だった――