消え行く花のように



ベッドにうつ伏せの状態で顔を横に向けると、少し離れたテーブルに置かれた白い花が目に入った。

テーブルに落ちた、花びらが一枚。

(リエル)

泣くのをこらえるように、唇を噛み、見送っていた少女の姿を思い出す。

小さな鉢に咲く白い花は、主の不在になんだか寂しそうにも見える…

何故か放っておけず、ベッドから身を起こし、キッチンで水を汲んできて注いでやった。

(花に水など……)

自分のしていることのおかしさに、思わず失笑する。

ついさっき、人間の命を奪っておきながら、こんなちっぽけな存在に気を止める……


――矛盾


(どうかしてる)

そう思いつつも、そうすることでどこか気持ちが落ち着くような気もした。

花に、みずみずしさが戻るのを見届けて、再びベッドに横になる。

もう、何も思考する気力はなかった。

静かにまぶたを閉じ、視界を闇に閉ざすと、すぐに強烈な眠気に襲われ……

俺はそれに身を任せ、意識を手放す――