消え行く花のように

(―10―)



どこを彷徨ったかも良く分からない――



明け方近くに自室へ戻り、ベッドへと倒れこんだ。

『食事』をとったため、体には力がみなぎっていたが、思考はひどく疲労していた。

限界近くまで耐えていたため、一度の食事では足らないだろうことは予想がついたが、理性を失う心配はとりあえずはないだろう…

――助けてくれええ!!

哀願した男の顔が脳裏に浮かんだ。



何もあんなむごい殺し方をする必要はなかったのに…

苦しめず一瞬で殺すことも出来た。

殺さない程度に生気を奪うこともできたのに…



自分がとてつもなく、醜くおぞましいものに思える。

所詮、人間とは違う。

人間にとっては死神同然の恐ろしい存在でしかないのだと、思い知らされた気がして…

そして、それを思うとなぜかひどく気が滅入る。