消え行く花のように




「よせ!! 触るな!!」

やっとの思いで片手を動かし、リエルの手を振り払う。

「……ジュード?」

何が起こってるか分からないリエルは、戸惑いの表情で俺を見た。

澄んだ、アイスブルーの瞳がみるみる哀しげな色に染まっていくのを見て、何とか理性を保つ。

「すまない。なんでもない……悪いが、戸棚から酒をとってくれないか?」

跳ねる鼓動を抑えながら、なんとか声をしぼりだし、そう言うと、リエルは弾かれたように立ち上がり、すぐに新しい酒瓶を取ってきた。

奪うようにそれを受け取り喉に流し込むと、幾分か喉の渇きが収まる。

「大丈夫?」

「ああ……」

心配げに訊くリエルから目をそらして返事をすると、俺は立ち上がり、テーブルの上に置いていた煙草を取り火をつけ、大きく煙を吸い込んだ。