消え行く花のように





――ガシャン !!




急激なめまいに襲われ、瓶を落とすと同時に床に膝をつく。

「ジュード!?」

瓶が割れる音を聞きつけたリエルが、浴室のほうから駈けてくる足音が聞こえる。

(だめだ……今来たら……)

激しい頭痛にこめかみを抑え耐えながら、必死で願ったが、リエルはうずくまる俺の姿をみるやいなや、すぐそばに駆け寄って顔を覗き込んだ。

「ジュード? どうしたの?」

「……」

目の前に座り込み、返事のない俺の両肩に手をかけ、必死で揺する。

「ジュード、顔が真っ青!! ねえ、大丈夫!?」

タオル1枚身体に巻きつけただけの、リエルの、露になった白い肩と……濡れた絹糸のような髪が掛かる細い首筋が目に入った途端……

――ドクン

心臓が大きく鼓動したのが分かった。




(駄目だ!!)