消え行く花のように




「ジュードは、食べないの?」

食べ物に手をつけようとせず、酒を飲みながら煙草を味わう俺に、リエルが気が付き尋ねた。

「俺はいい。人とは違うからな」

昨夜と同じ答えを返すと、少し考え込むそぶりを見せて

「人間では、ないってこと?」

俺の顔をじっと見つめて、リエルはそう返してきた。

「そうだな……そういうことだ」

昨日のようにはごまかせないか、としぶしぶ頷くと、何故か顔をぱっと輝かせて

「じゃあ、ジュードは天使様?」

「は……!?」

思わぬ答えに、俺は思わず煙草を落としそうになった。

「俺が……天使だと?」

「うん。だって、とても優しいもの 」

ひとり納得するように頷くリエル。