消え行く花のように



着せた服と、他にも何着か包むよう店員に言い、リエルをそばに呼び、コートを選ぶことにする。

「こんなに、いいの?」

遠慮がちに訊くリエルに窓の外を指差し、雪が降っていることを教え

「凍えたいか?」

と訊くと、ふるふると首を横にふる。

「素直でよろしい」

その様が愛らしく、思わずクスリと笑いを漏らしながらコートを選んでいると

「あ……」

隣で覗き込んでいたリエルが小さく声をあげた。

「これがいい」

遠慮し通しだったリエルが始めて自分で欲しいと言う。