消え行く花のように





「好きなのを選べ」

店に入りすぐにそう言って勧めたが、リエルが遠慮してなかなか服を選ばない。

仕方ないので、適当に見繕い、何着か店員に手渡す。

渡された服を手に取った店員と、店の奥の部屋へ行ったリエルを待ちながら、窓の外をぼんやり眺めると、街灯に照らされて、先ほど店に入る前は降っていなかった雪が、ちらちらと舞う姿が見えた。

(もう、こんな時期か)

夕べ、青白くなり寒そうにしていたリエルを思い出し、コートも買ってやらねば……などと考えていると、奥のドアが開く音が聞こえた。

「お待たせしました。とてもよくお似合いですよ」

店員の声に振り返ると、柔らかな青い生地で出来た、上質だがシンプルなワンピースに身を包み、新しい皮のブーツを履いたリエルが頬を紅潮させて立っている。

瞳の色に合わせた青は、リエルの白い肌とプラチナの髪によく合い、もともと幼いながらも綺麗な顔を際立たせ

「よく似合ってるぞ」

思わずそう言うと、リエルは火照った頬を更に赤くした。