(―1―)



「……悪趣味だな、おい」

高価な絨毯に赤黒い染みを広げ、すでに物言わぬ肉塊と化した男の身体を硬い革のブーツのつま先で蹴りつけ、俺は男の身体の先にあるベッドへと視線を移す。

このご時世に似つかわしくない、上等なシルクのシーツで覆われたベッドの上に、まだ年端もいかない少女が手足と口を縛られ裸で転がされている。

どうやら今からお楽しみの予定だったようだ……

(さて、どうしたものか)

ベッドの上の少女は身動きひとつせず、じっとこちらを見ている。

不思議なことに、目の前で人一人死んだのに、その目に怯えの色はない……いや、正確にいえば何の色も読み取れなかった。

ただ、ただ、目の前の光景を見つめるアイスブルーの瞳。