(―4―)
大通り沿いに店がいくつか立ち並ぶ中、一際古ぼけた<ガーフィールド古書店>と看板の掛かった店のドアを開けると、狭い店内に乱雑に積み重ねられた本に囲まれた小さなカウンターから、小柄な痩せた初老の男が顔を出した。
「やあ、ジュード。ご所望の本が届いてるぞ」
男は白髪混じりのぼさぼさの頭を掻きながらそう言うと、俺の後ろに目をやり驚きの表情を浮かべた。
「おやおや珍しい。あんたに連れがいるなんて初めてじゃないか? しかもとびきりかわいいお嬢さんだ 」
ガーフィールドの大声に怯えたのか、リエルはさっと俺の背に隠れる。
「大丈夫だ、リエル。ただのうるさい親父だ、何もしやしない」
「うるさい親父とは失礼だな、ジュード。確かにワシはお前さんのように若くもないし、艶々な長い黒髪が似合う色男でもないがな、こうみえても昔は……」
「世間話をしにきたわけじゃない。本を出してくれ」
「なんだなんだ、相変わらず愛想のないやつだ」
ぶつぶつ文句を言いながらも、ガーフィールドはカウンターの下から本を取り出し、俺に差し出した。
大通り沿いに店がいくつか立ち並ぶ中、一際古ぼけた<ガーフィールド古書店>と看板の掛かった店のドアを開けると、狭い店内に乱雑に積み重ねられた本に囲まれた小さなカウンターから、小柄な痩せた初老の男が顔を出した。
「やあ、ジュード。ご所望の本が届いてるぞ」
男は白髪混じりのぼさぼさの頭を掻きながらそう言うと、俺の後ろに目をやり驚きの表情を浮かべた。
「おやおや珍しい。あんたに連れがいるなんて初めてじゃないか? しかもとびきりかわいいお嬢さんだ 」
ガーフィールドの大声に怯えたのか、リエルはさっと俺の背に隠れる。
「大丈夫だ、リエル。ただのうるさい親父だ、何もしやしない」
「うるさい親父とは失礼だな、ジュード。確かにワシはお前さんのように若くもないし、艶々な長い黒髪が似合う色男でもないがな、こうみえても昔は……」
「世間話をしにきたわけじゃない。本を出してくれ」
「なんだなんだ、相変わらず愛想のないやつだ」
ぶつぶつ文句を言いながらも、ガーフィールドはカウンターの下から本を取り出し、俺に差し出した。

