「ごめ…んなさ…」


「謝らなくていい。俺が悪い」


優しく抱きしめてくれたり、頭を撫でてくれるのは本当に嬉しい。


でも、今すごく…。



悲しい。



今すぐキスしてほしい。



今すぐ強く強く抱きしめてほしい。



「もうすぐだ…もうすぐだから、頼む。待っててくれ」



震える声。

ごめん、ごめんね…。



「…はい…」



やっぱり待ってるしかないの?

溢れ出す涙は、笹河の服を濡らしていった。


初めて『好き』という言葉がどれくらい重いのかわかった。



「笹河さん……っ」



こんなに。

誰かを求めたことはない。






今、考えてみれば、この出会いがあたしを変えたんだ。