「食ったら、いいことしてやるよ」


「笹河さんのいいことは、あたしにとっては恐ろしいことなんで」


どうせキスとか、変なことするんでしょ?


絶対、嫌。

もう、そんな手には乗らない。


「そうか。じゃ、俺ひとりで行ってこようかな」


お祭りのチラシをひらひらとさせながら、あたしに見せた。


「お祭り…」


「浴衣も用意してやったのになぁ」


浴衣…。

そんなもんより、食べ物と金魚すくいでしょ!

カメすくいもいいなぁ。


「笹河さん、これいつやるんですか?」


「明日と明後日」


行きたいけどなぁ。

ダメなんだよなぁ。