離したとき、笹河は微笑んでホットケーキを返してくれた。

あっさりとしていた。


あたしも席に戻って、大人しくしていた。


あたしは、黙ってホットケーキを食べ始めた。


「うまいか?」


「………ん」


「まだあるから」



どうして。

どうして、そんなに優しいの。

どうして……キスしてくんないの。


「マジで体調悪いのか?」


あたしの頭を撫でて、聞いてくる。

俯いてしまう。

床を見つめて、必死に抑えようとした。


涙ぐんでしまう。


「蒼空?」


笹河が隣に来て、背中をさすってくれた。