―今日の客足は遠のくか
 私は煙草を取り出して一服点けて物思いに耽っていると、入り口のドアが開き、関が軽快なリズムで入って来た。
「近く寄ったからな」
「珈琲で良いかな?」
「おう。それより、妹さんは元気してるんかいな?」
「元気過ぎて困っている位だよ」
「健康が一番やな」
 関が頷き乍二階へと続く階段へと視線を向けていると、ギシギシと足音が店内に響き、噂の本人が降りて来る。私は吸いかけの煙草を灰皿で潰して恵に頷く。
「いらっしゃいませ」