「はい」
「あれ?関さんの携帯でよね?」
「今取り込み中でね、私が変わりに出る事に成ったんです」
「じゃあ要件だけ伝えますね。入院している宇都宮さんが意識を取り戻しましたので、その旨を伝えて下さい」
「本当ですか?」
「ええ」
「今、小夜子君は話せるのかな?」
「三時間ほど前に意識を取り戻して落ち着いていますから、少しなら大丈夫ですけど……」
「院内で携帯は大丈夫ですか?」
「院内指定の機種ですから大丈夫です」
「お願いします」
 通話口から足音だけが聞こえる中、私は降って沸いた希望の光を二人に伝える。
「入院している小夜子君が意識を取り戻した」
「え?」
「少し前に意識を取り戻したそうだ。看護士の人からの電話で、少しだけなら話せるそうだ」
 恵みの顔に嬉しそうな笑みが浮かぶ。自分の娘が原因で怪我をしたと思っている恵には嬉しい知らせだろう。私は恵みに視線を向けて頷いていると、関が鋭い視線を私に投げて来る。
「携帯くれるか」
「ああ」