何時でも動ける様に徐々に詰める。距離にして数メートル。車線は二車線に成っている。視界の先。テールランプが三回光り、矢継ぎ早にスラックスにねじ込んでいる携帯が振動し激しい電子音を響かせる。関はターゲットの車の背後に滑り込む。タイミング的には完璧だ。右車線。私は左車線の真中に位置を取り距離を測る。衝突させるなら、十メートル先の信号だろう。赤に変わり車の流れが緩む中、関の車だけが勢い良くスピードを乗せる。交通量も殆ど無く、ターゲットの車は信号の場所で止まると激しいクラッシュ音が街に木霊する。怒声が響き渡る。関が車から降りるのを切欠に、私も猛スピードで近付く。グングンと景色が流れる。クラッチを切り連続してギヤを落としエンブレでスピードを消し去り停車する。外に出たのは二人。運転手と右側の男だ。私が請け負うのは後部座席の左側に座っている男になる。私は懐から拳銃を取り出し、底の部分でガラスを思い切り殴り付けて皹を入れる。車中の男が驚き乍も血相を変えて飛び出そうとするが、バイクを蹴り倒しドアを開ける事が出来無くする。男の瞳に危険な殺気が過ぎる。私の本能が身体を動かす。


