問題は襲撃のタイミングだが、襲撃する際には、信号と車の流れが止まるタイミングを計り、関が乗っている車のブレーキランプが三回連続で点滅し、最後に携帯に着信をさせると云う形で切欠を貰い、私がターゲットの車の左側に滑り込む。無論ターゲットの車を何時でも動かせれ逃げる事が出来ると云うのが前提だ。その上で関が事故の謝罪を装い、一人でも多くの人間の注目を引き受ける。出来る限りターゲット以外の男は外に出したい。
 汚い方法だが、この件が私に取って最後の汚れ仕事だと自分に云い聞かせ一線を越える。躊躇したら失敗をする恐れが有り、それでは意味が無い。
 視線をターゲットが居る建物に移す。自然と険しい顔に成ってしまうのが分かり、関が惚けた表情でホットの缶珈琲を手渡して来る。
「緊張するのは分かるけど、この場面ではリラックスや」
「それが出来れば苦労はしないさ」
「悠也のスタンスを見習えば簡単や」