「そう云うな。ワシかてこの体たらくやからな」
「危機管理が薄れたんじゃないのか?裏の家業から引退するべきだな」
「余計なお世話や」
 この男が、関が以前云っていた金で雇った男なのは会話の流れで分かったが、一連の流れを全て把握している訳では無い恵は困惑の表情を浮かべている。それは私も同じ事だ。私が如何対応したら良いのか分からずに黙っていると、関が、片桐と呼ばれた男に簡単な自己紹介を兼ねた説明をすると、予想以上に頭の回転が速いのか、直ぐに事態を理解して頷き、空席に腰を下ろして煙草を取り出し一服点ける。
「大体の内容は分かったが、富田が関っているのなら、正直俺は関り合いたく無いな」
 片桐の口からも富田の名前が出る所を見ると、裏の世界では相当に有名な様だ。
「悠也が直接関る事は無いから安心してええで。それに、お前等は犬猿の仲と云う程に酷い訳ちゃうやろう?」
「好んで付き合いたいタイプでも無いがな。それで、この男をどうする積りなんだ」
「取り合えず蝿を捕まえたら監視が一旦止まるから、その間にさっき説明した親子をワシの事務所に匿って、ガードを悠也に頼む積りや」