云い過ぎかも知れない。私は不意にその様な事を思うが、実際に富田に聞いた話を要約すればそう成る。嫌われ役でも構わない。その上で、たった一人の妹で在る恵を救えるのであれば、それに越した事は無い。
「貴女の手には負えないと思うよ」
 逡巡している恵の背中を再度後押しする。その上で、後は私達で片付けたら良い。関の関連している案件に、間接的に私も関わる事に成ったがそれも良い。後は恵が一歩を踏み出す勇気を持つ以外には無い。
 沈黙が支配する。云えるだけの事は伝えた筈だ。後は恵が母親として判断をする部分で、私が強制したりだとか出来る領域では無い。だが、出来れば踏み込む勇気を持って欲しいと云うのが本音だ。刻
々と時間が進む中、恵が母の顔に成り私に真剣な目線を向けてゆっくりと話し出す。
「……御迷惑に成らないですか?」
「これも何かの縁だ、別に構わないよ。只、貴女の勇気が欲しかった」
「勇気、ですか……」
「私が貴女の家族の事に対して、色々と強制をする権利は無い。だが、出来る事なら救える命は救いたい。そう思っていた」
「有難う御座います……」
「気にする事は無い。それより事態はかなり進んでいると思う。詰まる所、貴女達家族を匿う必要があるんだ」
「はい」