「仕事の事や将来の事に不安を感じるのは誰にでもある。だが、足元すらも見え無いなら、それは本末転倒だ」
 苦い思いが心の中に広がる。私が恵みに云っている内容は自分に云い聞かせて要るのと同じ事だ。
「一応苦言をするが、警察機構に頼むだけ無駄だと思う方が良い。私達の考えだが、主催者が握り潰すだろうと云う見解だ」
「そんな!」
「現実だ。貴女が足元を見ない間に、葵君を取り巻く環境は劇的に変化してしまった。その上でのゲームのコマだ。普通の常識で図れる範疇を越えているんだ。警察機構も物証が無ければ動く事は無い。それは日々のニュースでも分かるだろう?ストーカーでの訴えや、近隣住人とのトラブル等も、相当に注目を浴びなければ動いて無い。その上で死者が出た場合のみ、体裁を保つ為の謝罪と情報操作で警察機構も握り潰している。表面に出て無いだけで、そう云う意味では、今も何処かで警察に頼ろうとしたとしても、警察機構が役に立つ前に死んでいる人は星の数程だ」