「そうや。猫の話に戻すとや、猫B迄が鼠を追い掛けたから、無論猫Cも追い掛けると思うやろ?そうした場合、今後眼に映る猫の全ての猫が鼠を追い掛けるかと云うと、決してそう云う訳では無い。中には、鼠に興味を示さん猫かって居とるかも知らんやろ」
「まぁ、確かにそうかも知れないな」
「そこでや、さっきの多数決の強さを考えた場合、数の多い派閥の方が圧倒的に有利と云う考えに成り易いけど、可能性の部分を考えたら、数が多いから強いと云う捉え方をした場合は、見誤ってしまう事もあるんや」
「どう云う意味だい?」
「知識と権力。この二つが数を圧倒する場合も多々有ると云う事やな。烏合の衆と云う言葉が有る様に、煽動者が多数の人間を操ると云う事は、実生活に置いては当たり前の様に起きとるやろ」
「確かに、そうだな」
「最初の村八分と云う考えも、大多数の意見が少人数の意見を圧倒する場合も有るけれど、逆の事も無論存在するんや。でもや、少人数でも人が集まる限りは、意見の食い違いや異端的な考えに拒絶するのは、人間社会には付き物やからな。その中での情報操作や肉体的・精神的な圧迫を総称してイジメと云うけど、そのイジメ自体を無くすのは、略不可能と考えんとあかんのや」
「絶対に、不可能なのか?」
私は率直な意見を関に投げ掛けると、関は迷う事無く「無理やな」と云って、酒をグビリと煽る。論理的に物事を考える関が弾き出した答えだ、それなりに個人的な見解が有るのだろう。私は酒の酔いも手伝ってか、関の見解を聞いて見たく成り話の矛先を振る。
「不可能な理由って云うのは?」
「簡単に云えば、枠組みの社会と云うのが一つの要因やな」
「枠組みの社会?」
「そうや。まず国に寄って色々な形で存在するけど、社会を円滑に進める為に法律が存在するやろ?」
「まぁ、確かにそうかも知れないな」
「そこでや、さっきの多数決の強さを考えた場合、数の多い派閥の方が圧倒的に有利と云う考えに成り易いけど、可能性の部分を考えたら、数が多いから強いと云う捉え方をした場合は、見誤ってしまう事もあるんや」
「どう云う意味だい?」
「知識と権力。この二つが数を圧倒する場合も多々有ると云う事やな。烏合の衆と云う言葉が有る様に、煽動者が多数の人間を操ると云う事は、実生活に置いては当たり前の様に起きとるやろ」
「確かに、そうだな」
「最初の村八分と云う考えも、大多数の意見が少人数の意見を圧倒する場合も有るけれど、逆の事も無論存在するんや。でもや、少人数でも人が集まる限りは、意見の食い違いや異端的な考えに拒絶するのは、人間社会には付き物やからな。その中での情報操作や肉体的・精神的な圧迫を総称してイジメと云うけど、そのイジメ自体を無くすのは、略不可能と考えんとあかんのや」
「絶対に、不可能なのか?」
私は率直な意見を関に投げ掛けると、関は迷う事無く「無理やな」と云って、酒をグビリと煽る。論理的に物事を考える関が弾き出した答えだ、それなりに個人的な見解が有るのだろう。私は酒の酔いも手伝ってか、関の見解を聞いて見たく成り話の矛先を振る。
「不可能な理由って云うのは?」
「簡単に云えば、枠組みの社会と云うのが一つの要因やな」
「枠組みの社会?」
「そうや。まず国に寄って色々な形で存在するけど、社会を円滑に進める為に法律が存在するやろ?」


