でも、そんな私の心境を読み取ったのか 腕を組んだままだった凜の手が、 突然グイ、と私を掴んで引き寄せた。 彼の小脇にすっぽりと収まった私を一瞥し、 笑わせるな……と、妖怪二人に言い放つ。 「もし、この小町を喰おうとしてみろ…」 見上げた先の凜は、笑ってなんかいなくて 見惚れるほど真剣な表情。 「まず俺がお前たちを、狼の唐揚げと 龍の干物にしてやる。」 ((こ……怖~…)) 唐揚げと、干物。 想像するだけで、ゾッ…とするけれど 少しだけ、笑えた。 (ありがと、凜。)