「ねぇ、凜。」 気がつけば、思わず私は凛の背中に声をかけていた。 「追い出すって言ってたのに……何で?」 私を、ここに置いてくれたんだろう。 小さな、疑問だった。 私のその声に振り返った凜の表情が、何故か切なそうで でも――…どこか、嬉しそうに微笑んでいたから 私は思わず息を呑んだ。