――そこにいたのは、


吸い込まれそうな漆黒の瞳。
真っ黒でカッチリとしたスーツに、
糸のように美しい白銀の髪を垂らして
仁王立ちしている青年だった。

スーツのポケットに両手を突っ込んで、
明らかに見下すような冷めた視線で、私を見つめている。


氷のように冷たい表情をしているのに
その顔立ちや体型、全てがあまりにも美しかった。





「き…キレー…」


率直な感想が、私の口から飛び出して、
目の前の彼はまたその大きな瞳をさらに見開く。



「お前……」



また、あの脳に響く甘い声。

顔を見て聞くと、
頭がどうにかなってしまいそう。





「俺のことが……見えているのか?」



え。