初対面の人に優しくしてもらうのは
いいのだろうか、悪いのだろうか?
確かに、今大いに困っているけれど…。
「い、いいですよ…っ!大丈夫です。家、近いので!」
「女の子がそんなに荷物を持って…危ない。
僕、暇なんだ。近いならすぐだし、ね?」
私の制する声も遮って、
男性は相変わらず笑顔のまま
シャンデリアの入った箱も持ち上げた。
この人に微笑みかけられると…何だか、酔いそう。
格好いいというわけでもないのに
どうして――…?
「あ、ありがと…うございま、す…。」
ヤバイ――…何だろう。
頭が、クラクラする。
男性に触れられた指先から物凄く熱い。
