誰かの叫び声。 そして、まるでスローモーションのように 私の頭上に落下してくる…シャンデリア。 ギラギラ光るガラスの装飾品の先は鋭く尖っていて、しかも大きくて重そう。 直撃したら――― 「きゃ……!!」 死? ガシャァンッ!! 「……あ、れ?」 激しい物音がして、もう駄目だと思った。 けれど、いつまでたっても シャンデリアは私に襲いかかって来ない。 反射的に頭を抱えて瞑っていた目を、 恐る恐る開ける。 すると、私のすぐ上にはシャンデリアではなく… 狼の、足。