「……ケホ……ごめん」 ──重ならなかった唇。 「大丈夫?」 目を開けると、まだ唇が触れそうな距離に直樹くんの顔があった。 「もう戻……」 ドキドキしながら立ち上がろうとしたけど、ぎゅっと抱き締められて身動きが取れない。 「なおっ……」 「ちょっとだけ、こうしてて」 耳に当たる胸から聞こえる鼓動は、あたしと同じくらい早く鳴っている。 「ね、ねぇ?」 「ん?」 この体勢で無言でいることが恥ずかしくてあたしは声を上げた。