「ここです。」 案内されたのは司令室よりもさらに奥の部屋だった。 入口には¨総指令室¨と書かれていた。 「私はここでお待ちしてますから中へどうぞ。」 鈴音は笑顔で結衣を部屋へ進めた。 結衣は少し戸惑いながら部屋をノックした。 『どうぞ。』 ノックの後、すぐに中から聞き覚えのある声がした。 その声は間違いなく夢で聞いた母親の声だった。 「…失礼します。」 いくら聞き覚えがある声でも、しばらく会ってはいない。 結衣は少し緊張したまま中へ入って行った。