飛べない鳥

──キーンコーンカーンコーン………


『これで今日は終わりです!それではさようなら!』


今日も憂鬱な学校は終わった。


俺はホッとする。


次々に教室を出ていく生徒達。


俺も帰ろうとする。

立ち上がり、学生カバンを持ち、響の席へと行った。


『おい、響帰るぞ?』


響は下を向いて携帯を見ていた。


『ちょっ待って!』


指の動きからすると、
メールをやっているみたいだ。


早く帰りたい。


俺はしょうがなく、響がメールを終わるのを待った。


『まだ?』


『元カノからメールが来てさ…』


響はメールを打ちながら歩き出した。


俺はその後に続き、
教室から出て行った。



『元カノ?…何て?』


『会いたいとか?だから今から会ってくる』


響はまだメールを打ちながら歩いている。


だからさっきから人にぶつかっては謝っているんだ。