飛べない鳥

俺は響の席を見た。

だがそこには響は居なく、響がいた場所は、先生がいる場所だった。


響は先生と仲良く話をしていた。

顔を真っ赤にしたまま、
幸せそうな笑顔で笑っていた。



俺の頭の中が、《?》のマークで埋めつくされている。


『彼女いるの~?』


しつこい女。


俺はその女を睨み、
立ち上がった。


一歩身を引く女達。


『俺、あんたみたいな軽い女嫌いだから』



こう言い捨て、教室から出て行った。




この後の女達の反応は分かる。


俺の事嫌いになっただろ?


それでいいんだよ。


嫌われものでいい。


俺は屋上に足を進めた。


あの場所なら今の俺のイライラを落ち着かせてくれるだろう。