飛べない鳥

俺は一歩ずつゆっくりと唯に近付いていく。



近付くにつれ、唯の泣き声が聞こえてくる。



案の定唯は肩を震わせて泣いていた。



俺はそんな唯を見て我慢出来なかったのか、唯の元へと走り、唯を後ろから抱きしめた。




強く…強く──……



『唯…ごめんね…』



『遥…斗?』



俺の手に、唯の涙が落ちる。

唯は俺の手をぎゅっと握った。



『俺さ…自信なかったんだ。唯を幸せに出来るのかなって…唯を守れるのかなって…でもそんなのどうでもいい…』




『遥斗…』



唯の甘い声が、俺の鼓動を速くする。




『唯がいればそれでいい…』



こう言った瞬間、夜空に散らばっていたある星が、夜空を横切ったんだ。



あれは俺の願いだったかな?




『私も遥斗がいればそれでいい…』




あれは…俺の願いだったかな?