飛べない鳥

俺の心に一筋の光が見えたと思ったのに、まだまだ俺の心は漆黒の闇なんだ。


そうだろ?母さん。


あなたは今どこにいるの?


俺は少しだけ変わった気がする。

でも母親を許すことは出来ない─…




──……一時間目が終わると俺達、三人は屋上から出て行った。


もうこの時には響はいつも通りの元気さが出ていた。


響は元気が一番だ。

落ち込んでいる響は見たくねぇよ。


すると俺の後ろを歩いていた唯が俺の手を握ってきた。


勢いよく弾む鼓動。
忽ち頬も赤くなる。


『ん?』


俺はわざと平然ぶって唯の方を見た。



唯ははにかんだ笑顔を見せて、一枚の紙切れを渡してきた。



そして無言のまま、足早に教室に入っていった。




『何だ?』



俺は訳も分からず、
唯から貰った紙切れを開く。



唯?やっぱお前は可愛いよ。