飛べない鳥

俺って…
何が足りない?


俺って…
何で飛べない鳥なんだ?



『学ランを着た、美男子』


その言葉を聞いた、
俺と響の動きが止まった。


響は顔をひきつったまま、香織に確認をした。



『嘘じゃないよ!私美男子に聞いたもん!』



『何をだよ?』



俺は机を見ていた。


香織から出る言葉が、
怖くて…恐ろしくて…



俺はひやひやしていた。



『遥斗、言ってもいいの?大丈夫かな?』



『…え』



香織、お前は何を言うつもりなんだ。


お前は─…何を…



次第に速くなる鼓動。


次第に強くなる雨。



まるで汗のように滴り落ちる雫。



─…ドクン…



─…ドクン…



葵、俺…お前に負けたよ。



『唯と美男子、付き合っているみたいだよ…』