ようこそゲストさん
「あれ、まだ残ってんの?」
放課後、同じクラスの晴哉に話しかけられた。
「…うん、追試で……」
なんとも恥ずかしい。
化学で赤点を取ったのは、唯一私だけ。
「え、あの1人ってお前なの?」
「えへへ、そうなの。」
うぅ。
気になってる人に、こんな姿を見られるなんて。
「しゃーねぇな。」
そう言って前の席に座り、私の方を向く。
「え?」
「んだよ。教えてやるんだよ。」
そして、晴哉のゴツゴツした手が目の前で動く。
「…で、でも晴哉も赤点ギリギリでしょ?」
「はぁ?残念だな」
ふんっと鼻で笑い、王様のように足をくみ出した。
…頭の上に王冠が見える。
「俺はお前と逆で、唯一の満点だよ」
ドヤァっとテストを見せてくる。
「えぇ!?」
「だから、教えてやるよ」
嬉しいけど、
なんだか悔しい。
「教えてやるかわりにさ、お礼しろよ?」
「えぇ……」
どうせ、スタバとかだろう。
「…俺と付き合えよ」
PON!様
感想をありがとうございます。
番外編は更新が遅くなっていますが
よろしくお願いします。