「ありがとうございます」
そう笑った佑太の顔は、
まるで自分を責めてるかんじだった。
「……あの、
ご両親は何時頃帰ってきますか?」
佑太は部屋にかけてある時計に目をやり、
あたしに尋ねる。
「帰ってこないよ」
風邪薬を飲む為にベットから起き上がり、
台所へ向かいながら答えた。
佑太は「え…」と驚いた声をもらし、
台所まで歩いてくる。
「1人暮らしなんだ、あたし」
だから親の料理なんて記憶にある位しか食べた事ないし、
テレビ見ながら、
たわいもない話で盛り上がったりなんて、
1回もない。
「……」
まずい事聞いちゃったって感じの佑太に、
「そんな顔しないでよ」
と笑う。
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