「琴子!こっちはなんかあったらうまくごまかしとくからっ心置きなくがんばってきて〜っ!」 そういって志乃はあたしを 送り出した。 あたしは誰にも見つからないよぅに 男子寮の裏口から忍び込む。 あらかじめ佐々くんから聞いていた部屋番号をたよりにして 忍び足で廊下を進んだ。 コンコンッ 佐々くんの部屋の前にきて 静かにノックをし 「さぁさぁくーん...あたし..」 声を殺して扉の隙間から佐々くんを呼んだ。 カチャ 開けられた扉の向こうの佐々くんにドキンとする。