すぐに翔の笑顔が覗き込む。

「すごい!!どおやったの?」

「てこの原理♪」

太い枝を高々と持ち上げて翔が満足そうに笑った。

あたしと政樹は無事に洞窟から脱出すると、すぐに砂地に引き返そうということになった。

約束の時間はとっくに越えてしまい、かなり暗くなってきている。

「てこの原理はあたしのアイディアよ♪」

歩きながら奈緒が話しかけてくる。

「ありがとう♪おかげで助かった♪」

「夢さん、今日少し話したいんだけど、時間取れる?」

「え?うん?大丈夫だよ…」

「出来たら美月さんも誘いたいんだけど…」

「ん…美月さんはどぉかなぁ…」