LASTLOVE

砂地の奥は左右の森とは全く異なる雰囲気だった。

大きな木々が生えていて、どこかアジアの森を思わせるようだった。

「なんか、異空間ね?」

奈緒がやたらとあたしに話しかけてくる。
昨日の一件で不安になったのかな?

「そうだね。なんかタイみたい。」

去年の夏旅行に行ったタイを彷彿とさせる場所だった。でも日本だからやっぱり蒸し暑い。
砂地の川がずっと続いている。

「滝でもあるかな。」

「あるかも。人工のね♪」
奈緒が笑いながら言う。

あたし達はそのまま歩き続けた。
次第に道が広くなる。

「見て!!」