LASTLOVE

その時、遠くに春と美月の姿が見えた。

(あれ…?)

二人は抱き合っていた。

「ねぇ…」

政樹の服の端を掴み二人の存在を教えようとすると政樹も春達を見ていた。

「…見なかったことにして行こう。」

政樹はあたしの手を引き再び森に入った。
あんなことがあった翌日なだけに二人のしていることが理解出来なかった。

慰め合ってるだけかもしれないけど…信じられない。
あたしは呆然とそんなことを考えながら歩いていた。
しばらく右に左に色んな方向を変えながら歩いてみたが今日はなんの収穫もなさそうだった。