「夢!」

急に背後から大声で呼ばれた。
振り返ると政樹がいた。

あたしは春から無理矢理手を離し、駆け出そうとした…

その時…政樹の後ろから、元カノの美月が顔をだし、あたしは凍り付いた。

(なんで美月さんが…?)

政樹はあたしに駆け寄ると、ギュッと抱きしめて来た。

「夢…心配した…。」

「…あたしも…。」

あたしは抱きしめられながらドキドキして頭が整理出来なくなっていた。

(何この状況…?)

政樹はあたしを離すとギュッと手を握った。
春に握られていたほうの手を…

「なんなのこれ…?」