LASTLOVE

「さっき見たばっかじゃん。まだ一緒だろ…。」

「離して…」

「もう少しだけ一緒にいて…お願いだから…」

「困るから…。」


「もぉ…夢の体に触れることも、夢の顔、こんなに近くで見ることも出来ないと思ってたから。」

春の手に力が入った。
ビクッとして身をかたくした。片手を顔に触れてくる。

「俺…何度も夢泣かしたな。夢は泣き虫だから。」

涙を拭う手は昔と変わらない手つきだった。


「あたし…のこと…またキープにするつもり?」


「夢…俺、そんなつもりないから。」


「奈緒さん…あたし達のコト知らないんでしょ?」