LASTLOVE

「持ってないょ…。けど…。」


「けど?言って?」


「春に返しに行った…。政樹と付き合う前日に…。」

「…何も無かったんだよね?」


「…キスだけ…した…。」

政樹がフッと息を漏らした。嫉妬というだけじゃなくて、めちゃくちゃ怒ってる。


「なんで?」


「指輪渡した時、春に引き寄せられて…。」


「それだけ?」


「うん。それだけ。ごめんなさい…。」


「付き合う前のことだからな…でも言えよ…。」


「ごめんね。」


あたしは悲しくなって思わず泣き出した。


「隠してることあったら全部言って。夢のこと信用したいから。」