あたしと政樹は海岸沿いから適当なところで森に入った。

「あ、松の木がある。やっぱり日本なんだね。」

「そうだなぁ。」

手を繋いで木々が繁る道を通る。時々蜘蛛の巣や虫にキャーキャー言いながらあたし達ははしゃいだ。

歩き始めてからかなりの時間がたっていた。
中々休めるような場所が見付からず、次第に息切れしながら二人は歩いた。

暑さでクラクラする。

「休むか。」

あたし達は耐え切れず座った。
《愛の伝説》の手掛かりになりそうなものなんて見当たらなかった。

ペットボトルの水を飲む。